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事例9【うつ病・発達障害】障害厚生年金2級に認定された事例

発達障害の事例

概要

傷病名うつ病・発達障害
年代 性別30代 女性
障害の状態など・高卒後、仕事が継続できずに転々としていた。彼氏からのDVを機にうつ病を発症。
・10年以上うつ病として治療を受けていたが、入院時の検査で発達障害(ADHD)が判明。
・抑うつ気分、不安感、嘔気などの症状が続いている。
決定した年金障害厚生年金2級(事後重症)
年金額124万円

ご依頼までの経緯

集団行動に苦手意識がありながらも、高校卒業までは普通に生活していました。卒業後、仕事をしていましたが上司と喧嘩して1年余りで退職。それ以降は職に就いても長続きせず、コンビニバイトをハシゴするなどして生活していました。

交際中の彼氏からのDVを機に不眠、食欲不振、抑うつ気分等の症状が表れ、精神科を受診。うつ病と診断され、服薬治療を開始しましたが、症状は一進一退でした。

地元に戻って結婚。共働きをしましたが、抑うつ気分や不安感で職場でも涙ぐんだり、嘔気で持ち場を離れたりなど就労が難しい状況が続き、希死念慮が高まって入院したこともありました。入院時の検査でADHDも指摘されました。

就労による収入が不安定で困っていたところ、障害年金の制度を知り、検討してみることになりました。

当事務所での対応

お話を伺ったところ、転院はあるものの10年以上受診を継続していて、ずっとうつ病と言われて服薬を続けていたが、2年ほど前に入院した際の検査で初めてADHDとの診断が出たとのことでした。先生からは、「元来の発達の凹凸によって適切な判断能力が欠けていたことで自尊心が傷つけられ、その結果、うつ病を発症したと考えられる」とのお話があったそうです。

診断書を取り寄せると、傷病名は「うつ病、発達障害」と2つの傷病名が併記されており、診断書全体の内容はうつ病を主とした記載になっていました。

前発傷病が「うつ病」で後発傷病が「発達障害」の場合、障害年金の認定においては、後述のように「診断名の変更」と取り扱われます。しかし、診断書もうつ病が主と捉えていますし、自覚症状も発達障害で困っているというよりもうつ病で困っている症状がほとんどなので、うつ病による困りごとを病歴・就労状況等申立書に記載しました。

ただし、発達障害は通常20歳前に発症するものと扱われることから、病歴・就労状況等申立書は出生時から順を追って作成しました。

また、発病時期は、診断書の記載どおりに20歳代後半とし、初めて受診した20歳代後半を初診日とした事後重症による請求を行いました。

結果

事後重症による障害厚生年金2級が決定しました。

コメント

精神の障害の場合、複数の傷病が併発していたり、診断名が変更になったりすることがよくあります。

発達障害や知的障害に他の精神疾患が併発している場合に、どのように取り扱うかについては、疑義照会への回答(※)という形で厚生労働省からある程度の方向性が示されています。

今回の事例は、前発傷病が「うつ病」で後発傷病が「発達障害」ですので「診断名の変更」に該当しますが、実際の症状に即して「うつ病」をメインに日常生活の困りごとを申し立てました。

発達障害や知的障害がある場合、どのような請求方針にするかよく検討することが大切です。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。


「知的障害や発達障害と他の精神疾患が併存している場合の取り扱い(情報提供)」(給付情2011-121 平成23年7月13日)

知的障害や発達障害と他の精神疾患を併発しているケースについては、障害の特質性から初診日及び障害状態の認定契機のついて次のとおり整理するが、認定に当たっては、これらを目安に発病の経過や症状から総合的に判断する。

  1.  うつ病又は統合失調症と診断されていた者に後から発達障害が判明するケースについては、そのほとんどが診断名の変更であり、あらたな疾病が発症したものではないことから別疾病とせず「同一疾病」として扱う。
  2.  発達障害と診断された者に後からうつ病や神経症で精神病様態を併発した場合は、うつ病や精神病様態は、発達障害が起因して発症したものとの考えが一般的であることから「同一疾病」として扱う。
  3.  知的障害と発達障害は、いずれも20歳前に発症するものとされているので、知的障害と判断されたが障害年金の受給に至らない程度の者に後から発達障害が診断され障害等級に該当する場合は、原則「同一疾病」として扱う。
    例えば、知的障害は3級程度であった者が社会生活に適応できず、発達障害の症状が顕著になった場合などは「同一疾病」とし、事後重症扱いとする。
    なお、知的障害を伴わない者や3級不該当程度の知的障害がある者ついては、発達障害の症状により、はじめて診療を受けた日を初診とし、「別疾病」として扱う。
  4.  知的障害と診断された者に後からうつ病が発症した場合は、知的障害が起因して発症したという考え方が-般的であることから「同一疾病」とする。
  5.  知的障害と診断された者に後から神経症で精神病様態を併発した場合は「別疾病」とする。
    ただし、 「統合失調症(F2) 」の病態を示している場合は、統合失調症が併発した場合として取り扱い、 「そううつ病(気分(感情)障害)(F3) 」の病態を示している場合は、うつ病が併発した場合として取り扱う。 )
  6.  発達障害や知的障害である者に後から統合失調症が発症することは、極めて少ないとされていることから原則「別疾病」とする。ただし、 「同一疾病」と考えられるケースとしては、発達障害や知的障害の症状の中には、稀に統合失調症の様態を呈すものもあり、このような症状があると作成医が統合失調症の診断名を発達障害や知的障害の傷病名に付してくることがある。したがって、このような場合は、 「同一疾病」とする。

(参考) 発達障害は、 ICD-10では、 F80からF89、 F90からF98にあたる。

前発疾病後発疾病判 定
発達障害うつ病同一疾病
発達障害神経症で精神病様態同一疾病
うつ病
統合失調症
発達障害診断名の変更
知的障害(軽度)発達障害同一疾病
知的障害うつ病同一疾病
知的障害神経症で精神病様態別疾患
知的障害
発達障害
統合失調症前発疾患の病態として出現している場合は同一疾患(確認が必要)
知的障害
発達障害
その他精神疾患別疾患