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事例5【気分障害】障害厚生年金3級に認定された事例

精神障害の事例

概要

傷病名持続性気分障害
年代40代
経緯職場でのトラブルをきっかけに不眠、抑うつ状態、希死念慮が生じ、精神科を受診。
障害認定日の頃は情緒不安定ながらもフルタイム就労中だった。
入退職を繰り返しながら11年間同じ精神科受診。不眠、不安感、焦燥感などが継続。
精神保健福祉手帳3級。
決定年金障害厚生年金3級
年金額59万円(初回振込額 312万円)

ご依頼までの経緯

サービス残業や休日呼び出しなど過重労働が続いていましたが、管理職としての責任感から必死に頑張ってきました。そんな中、会議の席上で同僚からバッシングを受け、自分の頑張りは何だったのかと力が抜けていまい、次第に不眠、抑うつ状態、希死念慮の症状が表れ始めました。

精神科を受診して服薬治療を開始。1年6か月後の障害認定日は、一度離れた職場に復職して間もない頃でした。復職といっても病気が治ったわけではなく生活のためであって、情緒不安定のまま今度こそは頑張ろうと、もがき苦しみながら仕事に出ていたのです。

それから11年間、入退職を繰り返しながら頑張ってきましたが、最近は就職内定をもらっても出社できずに内定を取り消されたりなど、いよいよ経済的に困窮し、障害年金の受給を考えるようになりました。

当事務所での対応

今までのお話をじっくりとお伺いしました。辛かったことを思い出して涙ぐむ場面もありました。検討の結果、障害認定日に遡って障害厚生年金を請求する方針としました。

障害認定日は今から11年前ですが、初診から現在までずっと同じ医療機関ということもあり、医師へ診断書作成を依頼したところ快く引き受けて下さいました。

ところが、障害認定日の診断書は以下のようなものでした。

  • 【日常生活能力の判定平均】2.0
  • 【日常生活能力の程度】(2)
  • 【現症時の就労状況】月の給与14万円 援助は特に配慮されていない
  • 【現症時の日常生活活動能力及び労働能力】日常生活は概ね自力で行えている。業務も遅刻・早退・欠勤などはない。何とか遂行できている。

日常生活能力から算出される等級の目安は「3級又は非該当」です。ただこの診断書では、いわゆる3級の状態とされる「労働が著しい制限を受ける程度」には該当しないように読み取れます。

ご本人に再度確認すると、当時は色々な工夫を凝らして何とか就労を続けていた状態でしたが、そのこと(工夫の数々)を医師に話すのが恥ずかしくてちゃんと仕事ができていると伝えてしまっていたとのことでした。

そこで、日常生活及び就労に関する状況について(照会)の書式をアレンジした申立書を用意し、就労状況を詳しく説明した書類を作成して提出書類に添付しました。

結果

障害認定日に遡及して障害厚生年金3級の受給が決定しました。

コメント

日常生活や就労に困難さがあっても、いつもの診察時間の中では主治医に詳しく話す機会が持てないことがよくあります。診断書を依頼する際には、普段の状況をメモにまとめて主治医に渡すなどして困難さを診断書に反映していただくことがとても大切です。

しかし、過去の状況に関しては「実は○○でした」と伝えても、カルテ記載の内容と相違する場合にはなかなか訂正して頂けないこともあります。

そのような場合でもあきらめずに、診断書の内容を補足する申立書を用意するなどして、なるべく本当の状況が審査機関側に伝わるような工夫をします。

就労中は障害年金が認められにくいと言われますが、就労する上で困難さがある場合には障害年金が認定されるケースもあります。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。