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【改正】病歴・就労状況等申立書の病歴をまとめて記入できる場合があります

鉛筆で書く人

こんにちは。障害年金の受給を応援している社会保険労務士の小川早苗です。このサイトでは障害年金の受給に関する様々な情報をお伝えしています。

今回は、病歴・就労状況等申立書の書き方についての改正情報です。知的障害や20歳前傷病による障害基礎年金を請求する場合に、一定の条件を満たせば病歴・就労状況等申立書を簡略化できることになりました。

 病歴・就労状況等申立書とは

病歴・就労状況等申立書とは、障害年金の請求には必ず提出しなければならない書類の一つです。原則の様式はA3サイズの両面印刷になっており、おもて面に病歴、うら面に就労状況や日常生活状況などを記入するようになっています。

病歴・就労状況等申立書

※ 画像をクリックするとPDFファイルが開きます

おもて面の病歴については、次のような書き方のルールがあります。

病歴の書き方のルール
  • 発病したときから現在までの経過を、年月日順に期間をあけずに記入
  • 発病から初診までが長期間の場合は、その期間を3~5年ごとに区切る
  • 受診していた医療機関が変わった(転院した)場合は、記入欄を変える
  • 同一の医療機関を長期間受診していた場合は、その期間を3~5年ごとに区切る
  • 医療機関を長期間受診していなかった(治療の中断があった)場合は、その期間を3~5年ごとに区切る

すなわち、一つの記入欄には3~5年分しか書けないことになっています。病歴が長く、例えば7~8年間大きな変化がない場合であっても、どこかしらで区切る必要があります。

 

知的障害では病歴をまとめて記入できるようになった

知的障害の場合は出生日を発病と捉えます。したがって、病歴・就労状況等申立書の病歴には、生まれてからの状況を幼少期、幼稚園、小学校低学年、小学校高学年、中学校、高校…という具合に5年を超えないように区切って記入する必要がありました。

この点に関して、改正がありました。

改正の内容①

生来性の知的障害の場合、病歴・就労状況等申立書の1つの欄の中に、特に大きな変化が生じた場合を中心に、出生時から現在までの状況をまとめて記入することが可能となった。

すなわち、3~5年に縛られずにまとめて記入できることになりました。極端に言えば、出生時から20歳までを1つの欄に記入してもよいのです。その1つの欄の中に、大きな変化などを記入すればよいことになりました。

ただし、「日常生活で困ったことや具体的なエピソードを審査機関へ伝える」という意味では、1つの欄にまとめて記入するとどうしても情報量が少なくなってしまうため、幼少期・小学校・中学~高校くらいには欄を区切って記入したほうがよい場合もあります。細かく区切ってはいけない訳ではないので、それぞれの状況に応じて区切りを活用して記入しましょう。

なお、この簡略化は知的障害で請求する場合だけです。他の傷病について請求する場合は、下で紹介する20歳前傷病を除いて、今までどおり3~5年ごとに区切る必要があることに注意しましょう。

 

20歳前傷病の場合もまとめて記入できるようになった

上記の簡略化は知的障害で請求する場合に有効だと書きました。もう一つ、同様に病歴・就労状況等申立書をまとめて記入してよい場合があります。それは、20歳前傷病による障害基礎年金の請求において、初診の医療機関ではなく2番目以降の医療機関の受診を証明することによって請求を行う場合です。

改正の内容②

2番目以降に受診した医療機関の証明書を用いて初診日証明を行った場合(※)は、発病から証明書発行医療機関の受診日までの経過を、1つの欄の中にまとめて記入することが可能となった。

※ 「2番目以降に受診した医療機関の証明書を用いて初診日証明を行った場合」についての詳細は下の記事で解説しています。

OKマークを作る女性 【改正】20歳前の初診日証明を簡略化できる場合があります

例えば下のような例では、A病院の証明がなくてもB病院の証明によって初診日を証明することが出来ます。

 

20歳前傷病の初診日証明の簡略化

※ 図は日本年金機構の案内より引用

このように2番目以降の医療機関(上の例ではB病院)の証明によって初診日証明手続きの簡素化を行った場合は、発病からB病院の受診日までの経過を一括してまとめて記入することが可能になりました。

ただし、こちらに関しても、1つの欄にまとめて記入するとどうしても情報量が少なくなってしまうため、上で解説した知的障害の場合と同様に、幼少期・小学校・中学~高校くらいには欄を区切って記入したほうが良い場合もあります。それぞれの状況に応じて区切りを活用して記入しましょう。

なお、証明書発行医療機関(上の例ではB病院)の受診日以降の経過は、今までどおり、受診医療機関等ごとに各欄に記載を行うことが必要です。こちらは知的障害の場合とは異なり、20歳までをまとめてよいわけではないことに注意しましょう。

 

関連リンク

病歴・就労状況等申立書の提出にあたって|日本年金機構