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障害年金の手続きに戸籍謄本は省略可能へ

年金請求書に戸籍謄本省略可能へ

こんにちは。障害年金の手続きを支援している社会保険労務士の小川早苗です。このサイトでは障害年金に関する様々な情報をお伝えしています。

今回は、障害年金を請求する際に添付が必要とされていた「戸籍謄本」についてのお話です。

今まで、戸籍謄本の添付が必要なケースがありましたが、令和6年11月1日から戸籍謄本の添付が省略可能(不要)となりました。

障害年金に必要な書類とは

障害年金を請求する際には、多くの書類を準備する必要があります。

書類に自分で記入するもの、医療機関に作成をお願いするもの、コピーを準備するもの… さまざまです。主な書類は以下のとおりですが、個別に他の書類が必要になることもあります。

この中に、以前は「戸籍謄本」がありました。

障害年金の請求に必要な書類(主なもの)
  • 年金請求書
  • 診断書
  • 受診状況等証明書(※ 不要な場合もある)
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 通帳コピー(※ 不要な場合もある)
  • 障害者手帳や療育手帳のコピー(※ 持っている人のみ)
  • 住民票の写し、所等証明書、戸籍謄本 (※ 省略可能になった)

障害年金に戸籍謄本が必要だった理由

以前は、障害年金の請求に「住民票の写し」「所得証明書」「戸籍謄本」の添付が必要なケースがありました。

まず、本人が現在もいるかどうかの生存確認として住民票の写しの添付が必要でした。これは年金を請求する全員に必要な書類でした。

また、20歳前傷病による障害基礎年金を請求する場合や「配偶者の加給年金」や「子の加算」がつく場合には、本人や加算対象者(配偶者や子)の所得証明書の添付が必要でした。支給要件に所得が関係しているからです。

「配偶者の加給年金」や「子の加算」がつく場合には、さらに戸籍謄本の添付も必要でした。

まずは当然の要件として、配偶者の加給年金については「婚姻関係にあること」、子の加算については「親子関係にあることがあります。また、加算対象者(配偶者や子)と同居していること(例外あり)や、子については18歳年度末(または20歳未満)であることも要件になっています。

これらの要件を満たしているのかどうかの確認として、住民票や所得証明書、戸籍謄本の添付が必要だったのです。

戸籍謄本が省略可能になった理由

今から数年前、マイナンバー(個人番号)を活用した情報連携により、年金請求書に住民票の写しや所得証明書を添付しなくてもよいことになりました。

そして、令和6年11月1日、ついに戸籍謄本についても、マイナンバーを活用した情報連携により原則として添付不要(添付が省略できることになりました。

マイナンバーを活用して「日本年金機構~情報を管理している市町村」の間で情報をやり取りしてくれるようになったのです。

準備すべき書類が多い障害年金ですので、書類が一つ少なくなるだけでも本当に助かりますね。

ただし、戸籍に掲載されているすべての情報を連携する訳ではありません。情報連携されるのは以下の内容です。

戸籍関係情報の連携
  • 配偶者と請求人との身分関係
  • 20歳以下の子と請求人との身分関係

戸籍謄本が省略できないケースもある

中には、戸籍謄本の添付が省略できないケースがあります。

まず、DVやストーカー行為、虐待等の被害者(または被害のおそれがある者)でマイナンバー制度における不開示措置閲覧制限を行っている場合は、当然ながら情報連携されないため、戸籍謄本の添付が必要です。

また、遡及請求で過去の情報が必要な場合にも、日付(婚姻日など)によっては戸籍謄本が必要になることがあります。

街角の年金相談センター市町村役場で手続きをする場合にも、その場では情報連携ができず管轄の年金事務所に送付されてからの情報連携になるため、情報連携できない可能性を考えて戸籍謄本の添付を求められることがあります。

今後の運用次第では、これらのケースでも戸籍謄本の添付が不要になるかもしれません。

判断に迷う場合には事前に確認をした方がよいでしょう。

参考リンク

証明書交付申請書 障害年金の申請時に何年度分の所得証明書を添付すればよいかを解説