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障害年金の請求には何が必要?揃えるべき書類を紹介します

戸籍記載事項証明書

こんにちは。障害年金の手続きを支援している社会保険労務士の小川早苗です。このサイトでは障害年金の受給に関する様々な情報をお伝えしています。

今回は、障害年金を請求する際に必要となる書類をご紹介します。

障害年金に必要な書類の全体像

障害年金を請求するにあたっては、いくつかの書類が必要になります。

どのような書類が必要なのかは年金請求者の状況(加算対象者の有無、障害の種類、請求の方法など)によって異なりますが、まずは基本の書類を知り、全体像を把握しましょう。

障害年金の請求に必要な書類(基本)
  • 年金請求書
  • 診断書
  • 受診状況等証明書
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 通帳のコピー
  • 障害者手帳のコピー
  • 年金生活者支援給付金請求書

もちろん、この他にもそろえるべき書類がある場合がほとんどです。これだけをそろえて安心しないようにしましょう。

逆に、省略可能な書類もあります。省略が可能なだけであって添付してもダメな訳ではありませんが、せっかく省略できるなら省略したほうがラクですよね。

また、よそから取り寄せる書類の中には有効期限がある書類もあります。必要書類の全体像を把握したうえで、請求時期を考えながらあまり早くそろえすぎないように注意することも大切です。

ほとんどの場合に必要な書類

年金請求書

障害年金の請求者全員に必要な書類です。

年金請求書には、請求する年金の種類によって2種類あります。使用する方を間違えないようにしましょう。

  • 障害基礎年金のみ請求 → 年金請求書(国民年金障害基礎年金)
  • 障害厚生年金も請求 → 年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付)
年金請求書の書き方(障害基礎年金編) 年金請求書の書き方(障害基礎年金編) 年金請求書の書き方(障害基礎年金編) 年金請求書の書き方(障害厚生年金編)

診断書

障害年金の請求者全員に必要な書類です。

障害の状態をあらわすための書類です。様式は8種類あります。障害の状態を最もよくあらわすことのできる様式を選択します。

医師または歯科医師に作成を依頼します。

  • の障害用
  • 聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下機能・音声・言語機能の障害用
  • 肢体の障害用
  • 精神の障害用
  • 呼吸器疾患の障害用
  • 循環器疾患の障害用
  • 腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用
  • 血液・造血器・その他の障害用

傷病の状態によっては様式の異なる診断書(複数枚)を用意したり、請求方法によっては時期の異なる診断書(複数枚)を用意したりすることもあります。

【例1】脳血管障害で言語と肢体に障害がある場合:「②音声・言語機能の障害用」と「③肢体の障害用」の、種類が異なる2枚を用意

【例2】1年以上前の障害認定日に遡及して年金請求する場合:「障害認定日の診断書」と「請求日の診断書」の、時期が異なる2枚を用意

請求時点のほうの診断書には有効期限があります。現症日から3か月以内です。(現症日とは、診断書⑩欄の横に記載のある「令和〇年〇月〇日現症」の日付を指します。)

診断書を作ってもらったあとは、有効期限が切れる前に年金請求をするように気をつけましょう。

障害認定日のほうの診断書には有効期限はありません。

受診状況等証明書

障害年金の請求者のほぼ全員に必要な書類です。ただし、省略が可能な場合もあります

初診日を証明するための書類です。

初診の医療機関に作成を依頼します。

診断書とは異なり、有効期限はありません。

受診状況等証明書の添付が省略可能なケース
  • 診断書を作成する医療機関と同一の場合(診断書が受診状況等証明書の役割を兼ねるため)
  • 生来性の知的障害について障害年金を請求する場合(出生日を初診日とするため)

なお、カルテ破棄や医療機関の廃院などの理由で初診の医療機関から受診状況等証明書が取得できない場合には、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を請求者が作成したうえで、転院先の医療機関から受診状況等証明書を取得します。

それに加えて、本来の初診日を証明できる参考資料も別途用意します。

受診状況等証明書が添付できない申立書」だけを用意して安心しないようにしましょう。

上述の「受診状況等証明書の添付が省略可能なケース」に当てはまらない場合は省略できません。転院先を順番に追いかけていって、受診状況等証明書を作成可能な最も古い医療機関で作成してもらうことになります。

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病歴・就労状況等申立書

障害年金の請求者全員に必要な書類です。

発症から現在までの病歴(通院歴日常生活の様子など)、就労の状況などを伝えるための書類です。1枚で収まりきらない場合は続紙を使用します。

請求者本人のほか、家族や代理人が代筆することもできます。手書きではなくパソコンで作成することも認められています。

通帳のコピー

障害年金の請求者のほぼ全員に必要な書類です。

年金の振込口座を年金請求書に記入しますが、その年金振込口座の確認資料です。

金融機関名、支店番号、口座種別、口座番号、口座名義人フリガナが分かるものを用意します。年金請求者本人の名義である必要があります。

通帳がない場合は、キャッシュカードのコピーでも大丈夫です。

ネット銀行の場合は、上記の情報がわかる画面を印刷したものを用意します。

なお、年金請求書に「金融機関の証明スタンプを受けた場合」や、「【公金受取口座として登録済の口座を指定】にチェックを入れた場合」は不要です。

障害者手帳のコピー

障害年金の請求者のうち、該当する人のみ必要な書類です。

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人は、「等級、交付年月日、氏名、生年月日がわかるページ」のコピーを用意します。

なお、勘違いされがちですが、障害者手帳がなくても障害年金を請求することは可能です。

年金生活者支援給付金請求書

障害年金の請求者のほぼ全員に必要な書類です。

年金に関連した制度として、年金生活者支援給付金があります。

年金生活者支援給付金の支給要件の一つに「障害基礎年金の支給を受けていること」があるので、障害年金の請求によってはじめて支給要件を満たす人が多くいるため、合わせて年金生活者支援給付金の請求書も提出することになっています。

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加算対象となる配偶者・子がいる場合に必要な書類

高校生の子の学生証のコピー

加算対象となる子が高校生の場合は、高校に在学中であることを証明できるものを提出します。

高校の学生証のコピー、または在学証明書が該当します。

ちなみに、15歳になった後の最初の3月31日まで(すなわち義務教育中)の子の場合は、その年齢によって年収850万円未満であると認定されます。(なお、通常はマイナンバー連携によって戸籍情報が伝わるので、わざわざ戸籍謄本を取得する必要はありません。)

しかし、中学卒業後は就労していることもあります。

そこで、在学中であれば在学の事実もって年収850万円未満であると認定することになっています。

在学していない場合は、別の方法で年収が850万円未満であることを証明しますが、通常はマイナンバー連携によって所得情報が伝わるので、わざわざ所得証明書(または課税証明書など)を取得する必要はありません。

生計同一関係に関する申立書

加算対象となる配偶者別居している、または別世帯になっている場合に提出します。

同居(かつ同一世帯)であれば、その事実をもって生計同一関係にあると認定されますが、そうでない場合は、生計同一関係にあることを別途申し立てる必要があります。

子の障害状態が分かる書類(診断書)

加算対象となる子に障害がある場合に提出します。

子の加算は、「18歳になった後の最初の3月31日までの子」について生計維持している場合に支給されますが、これ以降も「20歳未満で障害等級1級・2級の障害状態にある子」について生計維持している場合にも支給されます。

「障害等級1級・2級の障害状態にある」の要件を満たすことの確認として、子の障害状態が分かる書類(一般的には診断書)を添付します。

原則は、障害年金の請求で使用する診断書と同じ様式の診断書を使用します。

障害基礎年金の子の加算請求に係る確認書

以下の要件すべてに該当する場合に提出します。児童扶養手当との調整の必要性の有無を確認するためのものです。

  • 遡及請求している
  • 平成26年10月以前に障害認定日(受給権の発生日)がある
  • その期間に加算対象となる子がいる

マイナンバーを活用した行政機関間の情報連携ができない場合

マイナンバー連携により、添付が省略できることが多くなりました。

年金請求書に戸籍謄本省略可能へ 障害年金の手続きに戸籍謄本は省略可能へ

DV被害者等で閲覧制限をしている等の理由によりマイナンバー連携ができない場合は、以下の書類をすべて提出します。

  • 戸籍謄本 (※ 配偶者との婚姻関係、子との親子関係、配偶者や子の年齢を確認するため)
  • 世帯全員の住民票の写し(※ 配偶者または子との同居の有無を確認するため)
  • 加算対象となる配偶者の所得証明書(※ 加算対象となる配偶者の年収が850万円未満であることを確認するため)

遡及請求の場合に必要な書類

遡及請求とは、障害認定日から1年以上経過した日に、障害認定日にさかのぼって障害年金を請求することを指します。

障害給付 請求事由確認書

遡及請求する場合に提出を求められる書類です。

診査の結果、障害認定日で受給権が発生しなかった場合、事後重症による請求に切り替えて審査されることを了承するためのものです。

障害認定日で受給権が発生しなかった場合に、あらためて事後重症の請求をする必要が生じる不利益を避けるためのものです。

必ず提出しなければならない、という訳ではありませんが、障害認定日で受給権が発生しなかった場合に事後重症による請求に切り替えた診査を受けられないという不利益が生じるので、提出した方がよいです。

「障害給付 請求事由確認書」を提出しても、事後重症で決定した後に、遡及請求に関する不服申立て(審査請求)を行うことを妨げません。(不服申立てできます。)

年金裁定請求の遅延に関する申立書

障害認定日から5年以上経過している場合に提出を求められます。

状況に応じて必要な書類

障害年金の初診日に関する調査票

経過の長い傷病に関する障害年金を請求する場合に提出を求められる書類です。

以下の8分類の傷病について所定の様式が用意されています。

  • 先天性障害(網膜色素変性症等:眼用)
  • 先天性障害(耳用)
  • 先天性股関節疾患(臼蓋形成不全を含む)用
  • 糖尿病用
  • 腎臓・膀胱の病気用
  • 心臓の病気用
  • 肺の病気用
  • 肝臓の病気用

年金受給選択申出書

老齢年金遺族年金を受けているときに提出します。年金証書のコピーも添付します。

所得証明書(所得に関する申立書)

20歳前傷病による障害基礎年金を請求する場合で、以下のいずれかの場合には提出します。

  • マイナンバー情報連携ができない場合
  • マイナンバー情報連携はできるが、受給権の発生が平成29年7月以前(マイナンバー情報連携の開始前)の場合

20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があるので、本人の収入を確認する必要があります。

遡及請求の場合、20歳到達時点から請求時点までのすべての年度分が必要です。該当年度分が所得証明書が取得できない場合は、取得できるすべての年度分の所得証明書を用意し、取得できない年度に関する申立書を提出します。

証明書交付申請書 障害年金の申請時に何年度分の所得証明書を添付すればよいかを解説

第三者行為による障害の場合に必要な書類

第三者行為事故状況届・同意書・確認書

第三者行為事故についての状況を報告するためのものです。

その他に、損害賠償金に関する情報提供を日本年金機構が直接受けることについての同意書や、損害賠償金との調整が行われることを了承する確認書も提出します。

交通事故証明書

交通事故の場合は、警察署などから交通事故証明書の交付を受けて提出します。

証明書がとれない場合は、事故内容がわかる新聞記事のコピーなどを用意します。

損害賠償金の算定書

すでに損賠賠償金額が決定済の場合に提出します。

示談書支払いの内訳書損害賠償金の領収証など、損害賠償金の金額がわかるものを用意します。

 

関連リンク

障害基礎年金を受けられるとき|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/shougai/seikyu/20140519-01.html

障害厚生年金を受けられるとき|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/shougai/seikyu/20140519-02.html

障害年金を受給している方の手続き|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/shougai/jukyu/index.html

申請・届出様式 |日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/shinsei/index.html

令和2年12月25日より年金手続きの押印を原則廃止します|日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202012/20201225.html