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令和4年度の年金額はマイナス0.4%に引き下げ

お知らせ

2022年1月22日

年金額は「名目手取り賃金変動率」と「物価変動率」に応じて毎年見直しが行われます。

令和4年度の年金額は、令和3年度から0.4%の引き下げとなることが決まりました。具体的には以下のようになります。

令和4年度の年金額
  • 障害基礎年金 2級 月額64,816円(マイナス259円)
  • 障害基礎年金 1級 月額81,020円(マイナス323円)

  • 障害厚生年金(1~3級) マイナス0.4%(各人により異なる)
  • 障害厚生年金(3級)最低保障額 月額48,616円(マイナス192円)
  • 子の加算(~2人目)・配偶者加給年金 月額18,650円(マイナス75円) 

  • 障害年金生活者支援給付金 2級 月額5,020円(マイナス10円)
  • 障害年金生活者支援給付金 1級 月額6,275円(マイナス13円)

なお、年金は2か月に1回、偶数月に前月までの2か月分が支給されるので、改定後の額に変更となるのは令和4年6月15日から(4月分・5月分の年金)となります。

詳しくは下のページをご参照ください。(外部リンク)

令和4年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は昨年度から0.4%の引き下げです~ https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000725140.pdf

令和4年度の年金額改定の計算について

年金額の改定に関する参考指標は以下のとおりでした。

・物価変動率 ▲0.2%
・名目手取り賃金変動率 ▲0.4%
・マクロ経済スライドによるスライド調整率 ▲0.3%

年金額の改定は、名目手取り賃金変動率がマイナスで、名目手取り賃金変動率が物価変動率を下回る場合、年金を受給し始める際の年金額(新規裁定年金)、受給中の年金額(既裁定年金)ともに名目手取り賃金変動率を用いることが法律で定められています。

令和4年度の年金額の改定は、名目手取り賃金変動率がマイナス(▲0.4%)で、名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が物価変動率(▲0.2%)を下回るため、新規裁定年金・既裁定年金ともに名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が用いられます。

このため、令和4年度年金額は、新規裁定年金・既裁定年金ともに、名目手取り賃金変動率(▲0.4%)に従い改定されます。

また、賃金や物価による改定率がマイナスの場合には、マクロ経済スライドによる調整は行わないことになっているため、令和4年度の年金額改定では、マクロ経済スライドによる調整は行われません。

なお、マクロ経済スライドの未調整分(▲0.3%)は翌年度以降に繰り越されます。

以上のことから、令和4年度(2022年度)の年金額は令和3年度(2021年度)に比べて0.4%引き下げとなりました。

マクロ経済スライドの未調整分とは

そもそも、「マクロ経済スライド」とは、年金財政悪化を防ぐために、賃金や物価の上昇ほどは年金額を上昇させないように、改定率を調整し年金の給付水準を調整する仕組みです。

公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するもので、この仕組みは、平成16年の年金制度改正で導入されました。

マクロ経済スライドによる調整を計画的に実施することは、将来世代の年金の給付水準を確保することにつながります。

ただし、賃金や物価による改定率がマイナスの場合には、マクロ経済スライドによる調整は行われないこととされています。

「マクロ経済スライドの未調整分」とは、マクロ経済スライドによって前年度よりも年金の名目額を下げないという措置は維持した上で、調整しきれずに翌年度以降に繰り越された未調整分を指します。

未調整分を翌年度以降に繰り越して調整する仕組みは、平成28年の年金制度改正において導入されたもので、現在の高齢世代に配慮しつつ、マクロ経済スライドによる調整を将来世代に先送りせず、できる限り早期に調整することで、将来世代の給付水準を確保することにつながります。

令和4年度の年金額改定では、マクロ経済スライドによる調整は行われず、マクロ経済スライドの未調整分(▲0.3%)は、翌年度以降に繰り越されることとなりました。

マクロ経済スライドによる「スライド調整率」▲0.3%
=▲0.1%(令和3年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率の繰り越し分)
+▲0.2%(令和4年度のマクロ経済スライドによるスライド調整率)*
 *(公的年金被保険者数の変動率(平成30~令和2年度の平均)0.1%×平均余命の伸び率(定率)▲0.3%