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事例6【双極性障害】障害厚生年金3級に認定された事例

精神障害の事例

概要

傷病名双極性感情障害
年代 性別50代 女性
障害の状態など・初診日は今から26年前の公務員のとき。障害認定日の頃は休職と復職を繰り返していた。
・退職後、結婚して家庭に入る。幻覚、過呼吸、身の置き所がない感覚などに耐えられず、何度も救急要請したことがあった。そう状態で2回入院した。
・現在も疲労感が常にあり、12時間くらい寝ないと動けない。
決定した年金障害共済年金3級(遡及)
年金額68万円(初回入金 380万円)

ご依頼までの経緯

発病は今から26年前。公務員として働いているときでした。職場の保健師の紹介により精神科を受診し、うつ病と診断されました。1か月の休職の後に復職し業務量を減らしてもらいましたが、以前なら難なくこなせていた仕事がスムーズに行えなくなり、遅れを取り戻すために残業して疲れてしまい、さらに業務に時間がかかるという悪循環で、病欠や休職を繰り返すようになりました。

発病から7年後に退職。その後、結婚して県外に引っ越しすることになり、転院をしました。体調に波があり、家事を行えるときもあれば、動けなくなって寝込んでしまい実家に戻って面倒を見てもらうときもありました。

幻覚、過呼吸、大きな家具や家電を壊したくなる衝動、身の置き所がない感覚などに耐えられず、何度も救急要請したときもありました。入院も2回経験し、この頃に診断名が双極性感情障害に変更されました。

最近は、疲労感が常にあって12時間くらい寝ないと動けず、集中力や判断力が低下して何をするにも夫の指示がないと不安で、夫のいない間は何をしてよいのか分からず、ただ静かにしていることが多い状態です。

障害年金は以前に一度、自分たちで請求しようとしたこともありましたが、うまく進められず、そのままうやむやになってしまいました。60歳を目前に控え、もう一度請求してみようと考え始めました。

当事務所での対応

ご相談にはご夫婦でお見えになりました。今までの状況をお伺いしたところ、障害認定日の頃は休職と復職を繰り返していたとのことでしたので、本来であれば障害認定日に遡及して請求したいところです。

ただ、今から25年も前のことですし、転院してその医療機関に通院しなくなってから15年くらい経っています。診断書はもちろんのこと初診日の証明も大変かもしれません。とにかく当時の医療機関にカルテの保管状況を問い合わせてみて、その状況に応じて方針を決定することにしました。

祈るような気持ちで問い合わせてみると…なんと、カルテがちゃんと残っていて、診断書も書けますという嬉しいお返事でした。当時の主治医は退職されていたので、カルテを見ながら他の医師が診断書を書いてくださることになったので、果たしてどんな診断書になるか若干の不安はありましたが、カルテに詳細な記録を残していてくださったようで、ご本人の記憶以上に詳しい状況が分かるようなしっかりとした診断書でした。

現在通院中の医療機関にも診断書を依頼しました。実は、ご本人の記憶では、こちらの病院からは統合失調症と言われているとのことでした。しかし、出来上がった診断書では双極性感情障害となっています。ご本人に再度確認し、医師の見解を確認してみることになりました。

医師に面談をお願いしてお話を伺ったところ、統合失調症と言った(かもしれない)医師は以前の主治医とのことでした。ただ、過去の処方薬の内容をみると統合失調症だったは言えない(統合失調症の薬を処方しているが分量が少なすぎる)し、現在は双極性感情障害と診断しているとのことでした。

ご本人にその旨を報告したところ「あれ~?おかしいなあ?」というお返事でしたが、相談の結果、このままの診断書で障害年金を請求することとなりました。

結果

25年前の障害認定日に遡及して障害厚生年金3級が認められました。

コメント

カルテの保管義務は、原則は5年です。したがって、かなり昔の受診だとカルテが破棄されていることがあります。また、カルテが保管してあっても、当時の主治医が退職していてカルテにあまり記載がないと、カルテはあるが診断書は書けませんというお返事が来てしまうこともあります。

今回は、カルテの保管状況によっては請求手続きの難易度が高くなる事例でしたが、詳細に記載してあるカルテを病院が保管しておいてくださったおかげで、25年前に遡及することができました。

病院の対応によって障害年金を遡及請求できるかどうかが異なるというのは、本来はおかしな話なのですが、現行の制度としてはやむを得ない状況になっています。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。