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事例25【発達障害】障害厚生年金3級に認定された事例

発達障害の事例

概要

傷病名注意欠陥多動性障害
年代30代
経緯子どもの頃から上手くできないことが多く、高校卒業後もアルバイトを転々とした。
一念発起して食品製造工場に入社。ミス連発を心配してくれた同僚から勧めらて精神科を初診。
服薬しながらあまり休まずにフルタイムの一般就労を継続しているが、毎日が疲労困憊である。
精神保健福祉手帳3級。
決定年金障害厚生年金3級
年金額58万円(初回振込額 146万円)

ご依頼までの経緯

忘れ物が多かったり時間がかかったりなど上手くできないことが多く、いじめを受けても言い返すことも出来ないなど、つらい子ども時代を過ごしていました。

アルバイトをしてもミスを連発して数か月で首になることが多かったのですが、子どもの頃から温かく見守ってくれている両親に経済的負担をかけていることが申し訳なく、一念発起して大手の食品製造工場に入社しました。

しかし、やはりミスを連発してしまいます。そんな様子を心配した同僚から「あなたは発達障害だと思う。ちゃんと受診して検査を受け、自分の特性を受け止めたほうがいいと思うよ。」とアドバイスを受け、精神科の受診に至りました。

診断はADHDとのことでした。服薬によって以前より頭がクリアになったものの、やはりミスは防げず、ミスしないように慎重に行うと今度は時間がかかりすぎるというジレンマに陥り、なかなかうまく行きません。

そんな時に障害年金のことを知りました。

主治医に相談すると、厚生年金保険に入ってフルタイムの一般就労では障害年金は難しいと思うと言われてしまいました。

そこで、何とかならないものだろうかと当事務所にご相談を頂きました。

当事務所での対応

初めてお会いした時、「口ではうまく説明できる自信がないので紙に書いてきました。主治医にも同じものを見せています。」と言って、10枚くらいの手書きの紙(原本は主治医に渡したので、これはコピーとのこと)を持ってきてくださいました。これを書き上げるのに1か月以上を要したとのことでした。

それではまずは読ませていただきますね…と読み始めたところ、子どもの頃から現在に至るまでの状況がびっしりと書いてありました。時系列は行ったり来たりでしたが、苦労されてきた様子がよく分かり、ご本人を目の前にして涙があふれてしまって困ったほどでした。

現在の職場はとても理解のある会社のようで、クローズで(職場には手帳を持っていることを伏せて)厚生年金保険に加入してのフルタイム就労を数年間継続しているそうです。しかも、なるべく休まないように頑張っているとのこと。

確かに、表面上の就労データだけを見れば、主治医のおっしゃる通り障害年金は難しいかもしれません。

ただ、初診日が厚生年金保険の期間中なので、もしかしたら3級には該当する可能性はあります。

職場にはクローズにしているため、職場の様子を上司や同僚に一筆書いていただくという方法は取れません。

となれば、職場でミスをしてしまう様子や日常生活の大変な様子を出来る限り診断書に盛り込むことが非常に重要になります。主治医は、障害年金用の診断書を書くことは受けてくださったものの、「うちの病院の相談員を信用しなさい!」と言って社労士に依頼することは大反対とのこと。

そうは言っても、相談員さんは書類作成は手伝ってくれないそうです。

そこで、社労士に依頼していることは主治医には伏せて、診断書作成に関しては主治医にお任せすることとし、病歴・就労状況等申立書の作成に最大限の力を注ぐことにしました。

ご本人が頑張って書いてくれた経緯を参考に、子どもの頃から現在に至るまでの流れ、そして現在の日常生活の状況を、なるべく具体的事例を挙げて読みやすくまとめました。

結果

約3年前の障害認定日に遡って障害厚生年金3級に認定されました。

コメント

一般就労のフルタイムで、あまり休むことなく数年間の就労が継続できているという状況は、発達障害での障害年金の請求にはかなりの難しさがあります。

それでも、診断書や病歴・就労状況等申立書によって日々の困難さを具体的事例を挙げながら訴えれば、3級に認定されることもあることが分かりました。

諦めないことが大切ですね。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。