027-377-4055
障害年金についてのお問い合わせ

事例47【知的障害】障害基礎年金2級に認定された事例

知的障害の事例

概要

傷病名知的障害
年代40代
経緯普通級の中学を卒業後、いくつかの職に就いた後は無職。
25歳頃に統合失調症の診断を受け、断続的に受診。
最近は幻覚等の症状は落ち着いており、睡眠薬などの処方を受けに継続受診。
統合失調症では納付要件を満たさず、知的障害として障害年金を請求。療育手帳B2。
決定年金障害基礎年金2級(永久認定)
年金額81万円

ご依頼までの経緯

生まれてすぐに養護施設に預けられ、学校は普通級に通いました。勉強は苦手だったものの、施設の仲間と一緒に楽しく過ごしていたそうです。

中学卒業後、寮に入って仕事をしたこともあったそうですが長く続かず、その後は、面倒を見てくれる人について行って何とか日々の暮らしをしていたそうです。

50歳を目前に控え、友人の紹介で知り合った人と結婚することになりました。

その婚約者から弊所に「年金請求の手伝いをしてほしい。」とのご連絡をいただきました。

当事務所での対応

婚約者の方のお話では、統合失調症で精神障害者保健福祉手帳をお持ちとのことで、精神科にも長く通院しているとのことでした。ただし、統合失調症の症状は比較的落ち着いており、最近は睡眠薬の処方を受けるために通院しているとのことでした。

早速ご本人と面談して受診歴をお聞きしましたが、受診先は断片的にしか覚えていらっしゃいませんでした。通院中の病院にご協力いただくなどして情報をつなぎ合わせ、いくつかの病院に問い合わせをし、ようやく初診の病院を探し出すことができました。25歳頃の受診でした。

ところが、その初診日では納付要件を満たすことができませんでした。

そこで、納付要件が問われない20歳前の受診歴がないかよ~く思い出していただいたところ、なんと、療育手帳もお持ちであることが分かりました。B2(軽度判定)となっていました。

知的障害しての可能性を検討することとし、療育手帳を管轄する担当部署に問い合わせをしたところ、手帳を交付した際の判定書の写しを出していただくことができました。初回の交付は30歳の時で、更新せずに失効していたものを今から7~8年くらい前に再交付申請したようでした。再交付時のIQは53+αとなっていました。

統合失調症にて通院中の病院に、知的障害としての診断書作成が可能かどうか確認したところ、快くお受けいただき、改めて心理検査などをした上で診断書を作成していただきました。

知的障害の場合、年金請求には出生後から現在までの病歴・就労状況等申立書が必要です。覚えていないことや辻褄の合わないことも多くありましたが、分かる範囲で病歴をまとめました。

結果

障害基礎年金2級(永久認定)と認められました。

コメント

請求傷病では納付要件を満たしていない場合には、①もっと前に受診歴がないか ②20歳前に受診歴がないか ③社会的治癒の可能性はあるか ④請求傷病の程度が軽度の場合は他の傷病とあわせて「初めて1,2級による障害」となる可能性はあるか この辺りを検討することが多いです。

さらにもう一つ、知的障害の請求の可能性を検討することもあります。知的障害の初診日は出生日とすることになっているため、納付要件は不問となります。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。