概要
傷病名 | 自閉症スペクトラム障害 |
年代 | 20代 |
経緯 | 小学5年生より不登校。児童精神外来にて自閉スペクトラム症と診断。 20歳現在、B型事業所に週1~2回半日だけ行く程度で、ほぼ引きこもりの生活。 精神障害者保健福祉手帳3級。 |
決定年金 | 障害基礎年金2級 |
年金額 | 78万円 |
ご依頼までの経緯
小さい頃から、自分の興味のあることに夢中になりすぎて周りとテンポが合わなかったり、忘れ物が多いことを注意をされても表面上の返事ばかりで自分自身のこととは捉えていない様子だったりなど、親から見ると心配な面があったそうです。
小学5年生の頃から不登校気味となり、かかりつけ医から児童精神外来を紹介してもらい受診。自閉症スペクトラム障害と診断されました。
中学はほとんど通学できずに卒業。
一念発起して高校は通信制のサポート校へ入学し、先生から丁寧に対応してもらったものの、期待どおりに通学できないことを苦にしてリストカットをするようになったため、1年ほどで中退しました。
手芸などの手作業が好きなので、創作活動を行っている就労継続支援B型に登録し、週1~2回、利用者が少なくなる午後だけ行くようにしていますが、その他はほぼ自宅に引きこもった生活となっています。
20歳の誕生日を前にして、障害年金の検討を始めたものの、ご家族だけの手続きでは心配だからとお母さまからご相談をいただきました。
当事務所での対応
当方より、ご本人さまとご挨拶だけでもできれば…とお願いをしたところ、ご自宅の玄関先でお顔を合わせることができました。そこまでで精いっぱいとのことでしたので、「あとはお母さまと一緒に進めていきますね。」とお伝えして、お母さまからヒアリングをいたしました。
中学生の頃からお世話になっている精神科のクリニックはあるものの、お母さまの代理受診が多いとのことでした。
そこで、お母さまから伺った日常生活の様子を参考資料として書類にまとめ、診断書を依頼する際に一緒に持って行っていただきました。その時は、ご本人さまもお母さまと一緒に受診をしていただきました。ご本人さま曰く、決死の思いでの受診だったそうです。
出来上がった診断書は、当方が用意した参考資料の内容を最大限に盛り込んだ内容となっていました。
結果
障害基礎年金2級が認められました。更新は5年後となりました。
コメント
代理受診が多い場合、医療機関によっては診断書の作成を断られたり、作成していただけるものの不十分な内容になったりすることがあります。
事前に、障害年金の請求をしたい旨を医師に相談し、そのためにはどのようなことが必要かなどをよく相談しておくと安心です。その内容に応じて準備を進めていきましょう。
診断書の作成には、原則はご本人の受診が必要です。実際にご本人を診なければ、先生にも診断のしようがないからです。その上で、診察時間内だけでは先生に伝わりきらない(けれども診断書の作成には重要な)内容は別途、メモ程度でもよいので用意をして先生にお渡ししてみる工夫をするとよいでしょう。
※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。