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事例24【頚髄損傷】障害基礎年金1級に認定された事例

肢体の障害の事例

概要

傷病名頚髄損傷
年代 性別40代 男性
障害の状態など30代中頃に後縦靭帯骨化症と診断され、予防的手術(後方法)施行。その後も経過観察を継続していたが、日常生活に支障はなく普通に歩行していた。
それから8年後、自宅にて転倒して頚髄を損傷。車イス生活となる。
決定した年金障害基礎年金1級
年金額97万円(初回振込額 357万円)

ご依頼までの経緯

30代中頃に手の痺れがあり、検査の結果、頚椎後縦靭帯骨化症との診断を受けました。症状はすぐに軽快しましたが、悪化防止のために手術(後方除圧固定術)を受け、それからも経過観察のために年1回程度の受診を継続していました。日常生活に大きな支障はなく、普通に歩いて仕事にもついていました。

ある日、自宅にて転倒して頚髄を損傷してしまいました。1年ほどリハビリをしましたが、車いす生活を余儀なくされました。

障害年金を検討したものの、後縦靭帯骨化症と診断された頃の初診日では保険料納付要件を満たさず、諦めていました。

しかし、その後も自分なりに色々と調べて、何かいい方法があるのではないかと当事務所にご相談をいただきました。

当事務所での対応

救急搬送された病院(A病院)が作成した受診状況等証明書には、発病から初診までの経過として「後縦靭帯骨化症と診断されていた。両下肢の痺れを認めていた。」との記載がありました。

改めて経過をよくお聞きすると、後縦靭帯骨化症による痺れはあったものの、日常生活に支障を与えるほどの症状ではなく、普通に歩いて普通に過ごしていたそうです。

そこで、現在の肢体の障害は転倒によるものだと主張して、転倒して救急搬送された日を初診日として請求することにしました。この日を初診日と認められば納付要件を満たします。

なお、救急搬送(初診日)からちょうど1年6か月後、身体障害者手帳を作成するためにB病院を受診し、計測などが行われていました。このB病院は、後縦靭帯骨化症の予防的手術やその後の経過観察に年1回程度の受診をしていた病院でもあり、転倒前は普通に歩いていたこともご存じとのこと。

そこで、B病院に障害認定日の診断書を依頼する際に、備考欄に「転倒前は歩行可能」などの文言も記載していただきました。

病歴・就労状況等申立書にも、転倒前は後縦靭帯骨化症による影響はほとんどなかったことが分かるように経過を丁寧に奇異際しました。

結果

転倒して救急搬送された日を初診日として、障害認定日に遡及して障害基礎年金1級に認定されました。

コメント

障害年金の初診日について、障害認定基準には以下のような説明があります。

2 傷 病

(1) 「傷病」とは、疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病を総称したものをいう。
(2) 「起因する疾病」とは、前の疾病又は負傷がなかったならば後の疾病が起こらな かったであろうというように、前の疾病又は負傷との間に相当因果関係があると認められる場合をいい、負傷は含まれないものである。

3 初診日

「初診日」とは、障害の原因となった傷病につき、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日をいう。

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準

ポイントは、前は「疾病又は負傷」、後は「疾病」となっており、後に負傷は含まれないのです。

すなわち、もともと後縦靭帯骨化症という「疾病」があり、仮にこれが原因で歩行が不安定な状態となっていて転倒して「負傷」したとしても、この二つには相当因果関係はないことになります。

その一方で、転倒前から後縦靭帯骨化症によって肢体の障害が生じていたのだとすれば、肢体の障害は後縦靭帯骨化症によるものとの判断もあり得ます。

どちらが初診日であっても受給できる年金額に差がないのであればよいのですが、このケースは、後縦靭帯骨化症の初診日を採用されてしまうと保険料納付要件を満たしません。

そこで、後縦靭帯骨化症による肢体の障害はごく軽度であったこと、後縦靭帯骨化症と頚髄損傷には因果関係がないことをしっかりと主張することに細心の注意を払いました。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。