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事例22【慢性腎不全】障害基礎年金2級に認定された事例

腎疾患の事例

概要

傷病名慢性腎不全
年代50代
経緯20年ほど前、健診をきっかけに糖尿病が分かり服薬治療を開始したが、3年ほどで自己中断。
その数年後に別の医療機関で治療を再開したが経過は不良。
糖尿病性網膜症、さらには慢性腎不全により人工透析を開始し、現在に至る。
決定年金障害基基礎金2級
年金額100万円

ご依頼までの経緯

30代前半の頃、健診で尿糖陽性を指摘されたものの仕事が忙しく、そのままにしていました。それから約5年後、仕事の関係で健康診断書の提出が必要となり、受診の結果、糖尿病と診断されました。薬が処方されましたが、多忙のため次第に足が遠のいてしまいました。

それから数年後、また仕事上で健康診断書が必要となったものの以前のクリニックには勝手に受診を中断したので行きづらく、別のクリニックを受診して治療を再開することとなりました。

今度は減量に取り組むなど自分でも頑張りましたが経過は思わしくなく、合併症の糖尿病性網膜症を発症し、硝子体手術を受けました。

その後も腎機能低下や高血圧などが続き、慢性腎不全により人工透析を開始することとなりました。

この段階で、仕事で多忙な本人に代わって配偶者が障害年金の請求をしようとしましたが、手続きが複雑なことから途中であきらめてしまいました。数年後、手続きを再開しようと決意し、今度こそはちゃんとやり遂げようと当事務所にご依頼いただきました。

当事務所での対応

ご本人は人工透析に週3日通いながら仕事を継続していて多忙なため、障害年金の請求には賛同するもののこまごまとしたことは妻に任せたいとのことでした。そこで、配偶者さまを中心に進めていくこととなりました。

配偶者さまは、数年前に手続きをしようとしたときに過去の領収証やおくすり手帳を探しておいたとのこと。まずはそれらを見ながら病歴を整理するところから始め、20数年に及ぶ経過の概要を掴みました。

初診のクリニックは、以前に配偶者さまが電話で問い合わせたことがあり、その時はカルテが残っていますとの回答を得ていたそうです。具体的な初診日も教えらていて、配偶者さまの手元には日付のメモ書きも残っていました。

それなら大丈夫でしょうと、今回改めて正式に受診状況等証明書を依頼しました。ところが、ついこの間カルテを整理してしまったとのことで、今は何も記録が残っておらず、作成はできないとのこと! 配偶者さまは「あの時に作成してもらっていれば…」と大きなショックを受けました。

このクリニックには3年ほど通院していたそうで、最後の方の1年間に関してはおくすり手帳が残っていました。なぜ当初の2年間に関するものがないのかというと、最初は院内処方で、処方の記録は交付されなかったとのこと。途中から院外処方に代わり、その薬局からもらった内容がおくすり手帳として残されていたのです。

喜んだのもつかの間、おくすり手帳に残るスタート時点では納付要件を満たさず、これでは初診証明としては不十分です。

祈りながら次のクリニックに問い合わせたところ、カルテが残っており、前医に関する記載も残っているとのこと。無事に受診状況等証明書を作成いただけました。

人工透析に関する診断書も無事に取得でき、請求書類を揃えて提出しました。

結果

障害基礎年金2級に認定されました。

コメント

病歴が長い場合、初診の証明が難しいことがあります。

この事例は、手続きをしようと思い立った数年前のときに受診状況等証明書を依頼しておけば、初診の医療機関からすんなりと受診状況等証明書を入手できた可能性が高いです。幸いなことに転院先の受診状況等証明書を取得できましたが、場合によっては2番目からも取得が難しく、次、その次・・・と順を追っていく必要が生じることもあります。

なかなか難しいことかもしれませんが、慢性的な疾患は将来に向けて早めに受診状況等証明書だけは入手しておくといった自衛策が必要かもしれません。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。