概要
傷病名 | 線維筋痛症 |
年代 | 50代 |
経緯 | 両手指や手首の違和感を自覚し、関節リウマチを疑って受診するも異常なし。 原因不明のまま痛みが身体全体へと広がっていき、5か所目の医療機関で線維筋痛症と確定診断。 いったん復職したが、数日で再び休職。ステージⅢ。 |
決定年金 | 障害厚生年金2級 |
年金額 | 150万円 |
ご依頼までの経緯
最初は、朝起きた時の両手指や手首の違和感から始まったそうです。
関節リウマチを疑って受診したものの異常なしとのこと。症状が続くため受診を継続しましたが、原因不明のまま痛みは身体全体へと広がっていきました。リウマチ科、ペインクリニック、婦人科系など、医療機関を転々としたのち、5か所目で線維筋痛症の専門病院にたどり着いて、ようやく線維筋痛症との確定診断に至りました。
午前中に痛み止めの注射を打って出社する状態でしたが、それも困難となって休職。様子をみて復職したものの、数日で再び休職。
復職の目途が立たないことから、障害年金を検討することとし、当事務所に相談をいただきました。
当事務所での対応
最初にご相談をいただいたのは、休職して数か月目の頃で、傷病手当金を受給しているとのことでした。
そこで、障害年金における等級判定の仕組みや手続き方法、傷病手当金との調整についてご説明をし、まずは傷病手当金を受給しながら様子を見ることとなりました。
それから1年後、再びご連絡をいただきました。
あと数か月後には傷病手当金の支給期間が満了を迎えるけれど、なかなか復職の目途が立たず、障害年金の検討を始めたものの、初診日の証明が不安なので手続きを支援してほしいとのご要望でした。
改めて今までの受診の流れなどをお聞きして、関節リウマチを疑って受診したところが初診日と考えてよいだろうと判断しました。
その病院に受診状況等証明書の作成依頼に行ったところ、窓口で「結局は関節リウマチではなかったようですし、精査をする予定だったのをキャンセルして、それ以降いらしていないので、うちでは大したことは書けませんよ。」と念押しをされました。もちろんそれで結構ですのでお願いします、と依頼をし、無事に受診状況等証明書を作成していただけました。
現在受診中の先生には、病状をしっかりと反映した診断書を書いていただきました。ステージについても「Ⅲ」であることを明記していただきました。
初診日については、主治医は「自分が診ていなかった頃のことは判断のしようがない。」と仰って、診断書の初診日③欄は空欄のままでしたが、ご本人と相談の結果、③欄は空欄のままで提出することにしました。
その代わり、病歴・就労状況等申立書の方で、5か所の医療機関を渡り歩いた流れがよく分かるように作成し、初診日の主張が認められやすいように工夫しました。
結果
関節リウマチを疑って受診した日を初診日として、障害厚生年金2級が認められました。
コメント
難病の場合、確定診断がなかなか出ないこともあって初診日の証明が難しいことがあります。
受診のいきさつ、転院を重ねた理由、症状が継続していたことなど、ポイントを押さえて病歴・就労状況等申立書を作成することで、スムーズに初診日を認定してもらえました。障害年金の請求書を提出して1か月半でのスピード認定でした。
※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。
参考資料
化学物質過敏症、線維筋痛症、脳脊髄液漏出症、慢性疲労症候群の診断書の記載例や認定事例等https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/shougai/shindansho/2021040101.html
線維筋痛症等に係る障害年金の初診日の取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6137&dataType=1&pageNo=1