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事例35【虫垂がん】障害厚生年金3級に認定された事例

がんの事例

概要

傷病名虫垂がん
年代40代
経緯股関節痛で受診。精査の結果、化膿性腸腰筋炎による痛みであることが判明。
その後、腸閉塞も発症し、その術前検査で虫垂がんが見つかった。
回盲部を切除し、抗がん剤治療を継続中。
体調の差が激しく、月の半分は終日臥床の状態。
決定年金障害厚生年金3級
年金額59万円

ご依頼までの経緯

きっかけは股関節の痛みでした。整形外科でレントゲン検査をしましたが、骨には異常なし。

紹介された医療機関で精査した結果、化膿性腸腰筋炎による痛みであることが分かりました。

その後、腸閉塞も発症し、なかなか治らないことから、腸閉塞の手術を行うことになりました。

その術前検査で大腸カメラ検査を施行したところ、ようやく虫垂がん(盲腸がん)が見つかりました。虫垂がんは発見が難しいのだそうです。

回盲部を切除し、抗がん剤治療を行うことになりました。

体調の差が激しく、抗がん剤投与後の10日間は全身倦怠感、嘔気がひどくて終日臥床の状態。その後は何とか動けるようになるものの、またすぐに次の抗がん剤投与となり、とても仕事に復帰できる状態ではありません。

そろそろ傷病手当金も切れてしまうものの、がんで障害年金が受給できるのかどうかが分からず、当事務所にご相談いただきました。

当事務所での対応

普段の生活の様子をお聞きしたところ、10日間は終日横になり、その後の10日間はソロリソロリと動いている、そしてまた次の抗がん剤投与になる、その繰り返しとのこと。今すぐの職場復帰をためらうお気持ちがよく分かりました。

がんも障害年金の対象であることをご説明し、年金請求をしてみることにしました。

主治医には、抗がん剤を投与して自宅に戻った後の、次の投与時までの自宅での様子を資料にしてお渡しし、診断書の作成を依頼しました。

出来上がった診断書は、一般状態区分表は「イ 軽度の症状があり、内体労働は制限を受けるが歩行、軽労働や座業はできるもの」が選択されており、現症時の日常生活活動能力及び労働能力は「日常生活には支障なく、軽労働や事務作業は可能」と手書きの記述がありました。

この内容には驚きました。確かに事務作業が何とか可能な時期もありますが、それは月の半分もありません。残りの期間はとても仕事ができるような状態とは言えないはずです。

ご本人は「これは、先生からの『もっと頑張れ!』というメッセージなのだと思う。」とおっしゃり、ご本人と相談の結果、このままの診断書で請求してみることになりました。

その代わり、病歴・就労状況等申立書には、体調に波があることを詳しく記載し、診断書はあくまでも体調のよいときの内容であることが分かるように工夫しました。

結果

障害厚生年金3級に認定されました。

コメント

診断書を見たときはショックでした。

主治医に再考をご検討いただくことも考えましたが、ご本人の意思を尊重して、そのままの診断書で提出しました。

診断書の内容だけでは等級非該当も想定されましたが、病歴・就労状況等申立書の内容を汲み取ってもらえたのか、何とか3級に認定され、ホッとしました。

ご本人からは、年金の受給が決まったことで、無理してフルタイムへの復職を考えす、年金プラスアルファになるくらいの仕事を探してみようと思うとのご連絡をいただきました。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。