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事例20【眼の障害】障害基礎年金2級に認定された事例

眼の障害の事例

概要

傷病名黄斑萎縮(糖尿病性網膜症)
年代60代
経緯40歳の頃に糖尿病を指摘されたが、症状がないため当初はしっかり治療を受けなかった。
数年後にインスリン治療を開始。
その後、糖尿病性網膜症も発症して何度か手術をしたが、現在は視力、視野ともにかなり悪化。
決定年金障害基礎年金2級
年金額78万円

ご依頼までの経緯

40歳の頃に体調不良で受診したところ、糖尿病を指摘されました。しかし、特に症状が重いわけではなかったため数か月で受診を中断してしまいました。それから約5年後、倦怠感により受診したところ、糖尿病がかなり進行していることが分かり、インスリン治療を開始しました。

その後も血糖コントロールは悪く、特に目の見えづらさが顕著となり、何度か硝子体手術や白内障手術を受けたものの症状は徐々に進行し、インスリンの針を扱うのも苦労する状態です。

60歳を過ぎ、周囲の人に障害年金の手続きを勧められたものの、初診から20年以上も経過していて自分ではできそうもないとのことで当事務所にご依頼いただきました。

当事務所での対応

まずは初診日の確認から行いました。

最初に数か月だけ通院した医療機関は総合病院の内科でしたが、カルテは残っておらず、そこから10年くらい後の眼科受診なら記録が残っているとのことでした。

総合病院の次の受診先は、初診から約5年後のクリニックの内科です。ここには現在もインスリン治療に通っていますので受診状況等証明書を書いていただくことができました。しかし、発症からの経過には「5年くらい前に〇〇病院で糖尿病と診断されたという。当院来院までの5年間の詳細は不明。」との記載がありました。

今から15年ほど前にカルテに記載された内容を基に作成された証明書ですので、「5年くらい前に〇〇病院で診断を…」との内容はある程度の証明力にはなります。保険料の未納期間もありますが、どこが初診であっても納付要件をクリアし、ずっと国民年金の期間です。事後重症による請求ですので、これでも何とかなるだろうとは思いましたが、念のため、他の資料も探して添付することにしました。

とは言っても今から20年も前のことですので他の資料は見つかりません。ご本人に当時のことをよく思い出していただいたところ、糖尿病との診断当初に食事指導のために入院し、その時に友人が何人もお見舞いに来てくれたとのことでした。久しぶりにご友人に連絡を取っていただいたところ、お二人から快く第三者証明をいただくことができました。

同時進行で診断書の検討も行いました。

糖尿病の方は障害の程度としては3級かどうか…という感じで、その合併症としての眼の障害の方が重かったので、眼の障害として診断書を用意することとしました。

数年前に眼の手術をしてもあまり改善せず、結局それからは眼科には通っていないとのことでしたので、眼科の受診再開からスタートです。視力だけでは2級に届くかどうかが微妙な感じでしたので、視野の検査データも取得することにしました。ところが、その当時の障害認定基準ではゴールドマン視野計による検査が必須だったため、まずは地域の眼科を受診し、そこから紹介状を出していただいて大きな病院へ行き、ようやく検査を受けることができました。

病歴が長く、医療機関も複数あってなかなか複雑なものでしたが、ご本人に色々と思い出していただきながら丁寧にまとめました。

結果

障害基礎年金2級に認定されました。

コメント

糖尿病の方の場合、初診日がかなり前で証明に苦労することがあります。しかし、諦めずに取り組むことで何とか証明できることがあります。

なお、この方は、令和4年1月改正の障害認定基準で1級に改定できるはずだと思いましたので、その頃にその旨をご案内して支援を行い、無事に額改定請求も通って1級になりました。

※ 事例の内容は、趣旨が変わらない程度にアレンジしています。