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神経系統の障害年金の認定基準

空を背景とした白い花

こんにちは。障害年金の受給を応援している社会保険労務士の小川早苗です。このサイトでは障害年金に関する様々な情報をお伝えしています。

今回は神経系統の障害の認定基準に関する情報です。

障害年金に該当する障害の状態については、国民年金法施行令(別表)および厚生年金保険法施行令(別表第1・第2)に定められています。そして、より具体的な基準として「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」という通知が出されています。

ここでは、この「障害認定基準」の中から神経系統の障害の認定基準を抜粋してご紹介します。

認定基準

神経系統の障害についての認定基準は、次のようになっています。(実際の障害認定基準をもとに、分かりやすく修正しています。)

障害の程度 障害の状態
1級 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 日常生活が著しい制限を受けるか、 または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 労働が著しい制限を受けるか、 または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
障害手当金 労働が制限を受けるか、 または労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

 

認定における留意点

部位や症状と認定基準との関係について

  • 神経系統の疾患による障害は、肢体の障害や精神の障害など、多岐にわたります。障害があらわれている部位や症状に応じて、それらの認定要領に基づいて認定されます。診断書も、障害の状態に応じて適宜選択します。
  • 肢体の障害の認定は、「肢体の障害」の認定要領に基づいて行われます。
  • 脳の器質障害については、神経障害と精神障害を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則として、それらの諸症状を総合し、全体像から総合的に判断して認定されます。

疼痛について

疼痛は、原則として認定の対象となりません。ただし、四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛、脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛、根性疼痛、悪性新生物に随伴する疼痛、糖尿病性神経障害による激痛等の場合は、疼痛発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚的所見等により、次のように取り扱うこととなっています。

  • 軽易な労働以外の労働に、常に支障がある程度のもの→3級と認定
  • 一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの→障害手当金に該当するものとして認定(症状が固定していない場合は3級)

障害認定日の特例について

神経系の障害により次のいずれかの状態を呈している場合は、原則として初診日から起算して 1 年 6 月を経過した日以前であっても、障害認定日として取り扱うこととなっています。

  • 脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から 6 月経過した日以後に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき
  • 現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から 6 月経過した日以後において、気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき

虫眼鏡で確認する医師 障害年金における障害認定日とは|原則と特例を具体例で解説

 

対象となる疾病例

神経系統の障害の対象となる疾患には以下のようなものがあります。

脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)、脳腫瘍、多発性硬化症、パーキンソン病、脊髄損傷、脊髄腫瘍、糖尿病

 

障害認定基準(原文)

障害認定基準のうち、神経系統の障害の認定基準(原文の抜粋版)は下のリンクから見ることができます。

第3 第1章 第9節  神経系統の障害