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障害年金の請求は社労士に頼んだ方がいい?

書類に記入する人

こんにちは。障害年金の手続きを支援している社会保険労務士の小川早苗です。このサイトでは障害年金に関する様々な情報をお伝えしています。

今回は、障害年金についてよくある質問を取り上げます。

障害年金の手続きは社会保険労務士に頼んだ方がよいでしょうか。
障害年金の請求は本人や家族で行うことができます。ただし、障害年金を専門にした社会保険労務士に相談した方がよいケースもあります。

障害年金の手続きとは書類を揃えて提出すること

障害年金をはじめとした各種の公的年金は、支給要件を満たしていれば当然に支給を受けることができます

障害年金の請求手続きとは「受給権(=年金の支給を受ける権利)を有していることを、日本年金機構等(=年金業務を実施している機関)に確認してもらい、振込処理を進めてもらうこと」です。もう少し簡略化して言えば「受給権があることが分かるような書類を揃えて提出すること」です。

必要な書類を揃えて提出すればよいのですから、この部分さえ可能であれば、障害年金の請求手続きは本人や家族が行うことができます。

本人や家族で障害年金を手続きするかどうかの判断ポイント

障害年金の請求手続きは「必要な書類を揃えて提出すること」です。したがって、以下の3つのポイントをクリアできそうであればご本人やご家族で請求することが可能だと思われます。

ポイント1 年金事務所等に行くことができる

障害年金の窓口は、それぞれの状況に応じて年金事務所、市町村役場、共済組合などに分かれます。

いずれにおいても、まずは担当の窓口に問い合わせるところから始まります。

年金事務所

そして、窓口へは、請求に必要な書類の受け取りと提出、最低でも2回は出向く必要があります。最低でも、と記載したのは、実際にはもっと来所が必要になるケースもあるからです。

  • 書類を受け取り、いざ取りかかってみると分からないことがある。しかし、電話では詳しい相談に乗ってもらえず、また窓口へ来るように言われる。
  • 書類を揃えて持っていったら、不備を指摘されて受け取ってもらえなかった。指摘された部分を直して、また提出しに行かなくてはならない

このような感じで複数回の来所が必要になる場合があることも踏まえて、何度か年金事務所等へ行き、窓口の人とやり取りできることがポイントになります。

初診日が共済組合の場合

各種の共済組合(地方職員共済組合、全国市町村職員共済組合など)では、電話や郵送でやり取りが完結する場合が多いようです。

ポイント2 初診日がスムーズに証明できる

障害年金の請求では、初診の医療機関に「受診状況等証明書」という初診日を証明するための書類を作成していただく必要があります。

この受診状況等証明書をスムーズに取得できるかどうか、そして、その受診状況等証明書によって初診日の証明ができるかどうかがポイントです。

書類

例えば、交通事故で足を切断したことを理由として請求するのであれば、初診日は交通事故に遭って救急搬送された日でしょう。事故がそれほど昔のことではなく、最初に搬送された医療機関が廃院していなければ、問題なく証明書を取得できることが多いです。

しかし、同じく足の切断であっても、長く糖尿病を患っていた方が神経障害により足を切断することになった場合はどうでしょうか。この場合の初診日は、糖尿病に関して初めて医療機関を受診した日です。 足の不調を自覚して初めて受診した日ではありません。

糖尿病は特に病歴が長いことが多いです。病歴が長い場合、初診日があまりに昔すぎてカルテが廃棄されており証明書の作成を断られたり、当時の医療機関が廃院してなくなっていたりすることがあります。

病院

また、初診日の判断が難しいケースもあります。

例えば、もともとストレスがかかると下痢をしやすく、そのたびに内科を受診して下痢止めや抗不安薬の処方を受けていた方が、下痢症状がなかなか治らないことから心療内科を紹介され、心療内科を受診したところ「うつ病」と言われた場合、うつ病の初診日はいつと判断すればよいでしょうか。

このように、初診日の判断が難しく、どこの医療機関に受診状況等証明書を依頼したらいいか分からない場合もあります。

初診日の証明が難しい場合、年金事務所等と相談しながら準備を進めることになりますので、年金事務所等への来所回数が増えることにもつながります。

ポイント3 病歴・就労状況等申立書が作成できる

障害年金の請求では、「病歴・就労状況等申立書」という書類を作成する必要があります。これは、発病時から現在までの症状や日常生活・就労の状況について、時系列で記入するものです。 言ってみれば作文のようなものです。

この病歴・就労状況等申立書ををご本人や家族で作成できるかどうかがポイントです。

「診断書」は、医学的見地から医師が作成する書類です。いっぽうの「病歴・就労状況等申立書」は、自分の症状等を審査機関に伝えるために自らが作成する書類です。

病歴・就労状況等申立書
病歴・就労状況等申立書(おもて面)

病歴・就労状況等申立書には、自由に記入できる大きな枠が用意されています。そうすると、どうしても自分の辛い気持ちをびっしりと書き連ねてしまいたくなります。

しかし、審査の際に書類をじっくりと読んでもらえるかどうかは分かりません。(審査件数が多く、迅速化の観点から審査にあまり時間をかけられないという事情もあるようです。)せっかく書いても、読んでもらえなかったり伝えたいことが伝わらなかったりすれば、自分の症状を伝える機会を十分に生かしきれず、もったいないことになります。

病歴・就労状況等申立書は、読みやすさを考慮しながら、伝えるべき情報を過不足なく記入することが大切になります。

病歴・就労状況等申立書をどのように書いたらよいか分からない、書かなければならないと思うと余計に具合が悪くなってしまう、などの理由で作成がなかなか進まず、数か月も経ってしまう(場合によってはそのまま頓挫)ということもあるようです。

社労士に障害年金を依頼した方がよいケースとは

ここまで、ご本人やご家族で障害年金の手続きをするかどうか、その判断ポイントを3つご紹介しました。すなわち、社会保険労務士に障害年金の手続きを依頼した方がよいケースとは、上でご紹介した3つのポイントをクリアするのが難しい場合です。

その他として、社会的治癒を主張したい、傷病が複数ある、一度請求して不支給になったなど、請求方法が複雑な場合も社労士に障害年金の手続きを依頼した方がよいケースと言えます。

社労士に障害年金を依頼した方がよいケース
  • 年金事務所等と複数回のやり取りをする時間が取れない(または、やり取りをする自信がない)ケース
  • 初診日の証明が難しいと予想されるケース
  • 病歴・就労状況等申立書の作成に時間がかかりそう(または、作成する自信がない)ケース
  • 社会的治癒を主張して請求するケース
  • 複数の傷病があるケース
  • 一度請求して不支給になったケース

社会保険労務士に依頼すべきかどうかを悩むのは、着手金や報酬の支払いが負担という理由が多いと思います。

この点に関してはケースバイケースですが、例えば、準備に半年以上かかってしまいそうな場合や5年の消滅時効にかかってしまいそうな場合は、ご本人やご家族で進めて時間をかけるより、障害年金専門の社会保険労務士に依頼して迅速に進めた方が、 報酬などの支払い分を差し引いても有利なことが多いです。

社会保険労務士に依頼しようかどうしようか悩んでいる場合、初回相談は無料という社会保険労務士も多いので、まずは社会保険労務士に相談してみて、それから正式に依頼するかどうかを決めてもよいと思います。

弊所でも随時、無料相談を行っています。お気軽にご利用ください。

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