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障害年金の受給による老齢年金への影響とは

計算する二人

障害年金をもらうと、その分、将来もらう老齢年金が減額されるなどの不利益はありませんか。

障害年金の受給によって老齢年金が不利になることはありません。ただし、希望に応じた手続きをしておく必要があります。

 

障害年金を受給しても、受給したことだけを理由として将来の老齢年金が減額されるような不利益を受けることはありません

ただし、障害年金の受給によって国民年金保険料の納付は「法定免除」されるので、これに関してどのような手続きをするかによって、将来の老齢基礎年金の額が異なってきます

どちらの手続きをとるかは自由に選べます。ただし、どちらの手続きを選択したほうが有利かはケース・バイ・ケースであり、確実にこちらの方が有利とはいえません。いずれにするかを決断して手続きを取る必要があります

 

法定免除とは

法定免除とは、免除事由に至った場合に国民年金の保険料納付を免除するしくみです。

法定免除の免除事由は次のとおりです。

  • 障害基礎年金・障害厚生年金もしくは障害共済年金等(1級・2級に限る)の受給権者
  • 生活保護法による生活扶助その他の援助であって一定のものを受けるとき
  • 一定の施設に入所しているとき

したがって障害年金1級・2級の受給権者は法定免除の対象となるので、国民保険料を納付しなくてもよくなります。

なお、障害厚生年金3級の受給権者は法定免除の対象外なので、障害厚生年金3級の受給権者が国民年金第1号被保険者の場合は国民年金保険料を納付する必要があります。

計算する女性障害年金の受給者は保険料を納付しなくていい?

 

あえて保険料を納付することも可能

国民年金保険料の納付が法定免除である障害年金の受給権者であっても、あえて保険料を納付することもできます。

法的に納付を免除されるのにわざわざ納付するのには理由があります。それは、将来の老齢基礎年金の受給額を減らさないためです。

老齢基礎年金の額は、保険料の納付実績に比例した額になります。計算方法の詳細は割愛しますが、例えば、法定免除の期間は納付期間の2分の1として評価することになっています。これにより、20歳から60歳までの40年間について、40年間すべてが免除期間の場合の老齢年金の額は、40年間すべて納付期間の場合の老齢年金の額の2分の1の額になります。

このような事態を避けるために、法定免除の事由に該当する場合であっても、本人の希望に応じてあえて保険料を納付することを選択することが出来るようになっています。

 

法定免除と納付 どちらが有利かはケース・バイ・ケース

国民年金保険料について、法定免除を受ける場合と納付する場合の長所・短所は以下のとおりです。

法定免除と納付の比較

■ 法定免除を受ける場合

長所:保険料の納付をしなくてよい
短所:将来の老齢基礎年金が一定割合で減額される

■ 保険料の納付を続ける場合

長所:免除による老齢基礎年金の減額がない
短所:保険料納付の負担がある

どちらにも一長一短があり、どちらにした方が有利かは状況によって異なり、残念ながら確実にこちらの方が有利ということはできません

では、どのような視点で法定免除と納付のいずれにするかを選択すればよいでしょうか。ポイントは、納付の負担感の大きさと、将来の障害基礎年金の受給の可能性です。

 

将来の障害基礎年金の受給の可能性で判断するとは?

通常は、65歳になると老齢基礎年金の受給権が発生します。しかし、老齢基礎年金と障害基礎年金は同時に受給することは出来ません。もし65歳になったときに障害基礎年金も受給できるのならば、老齢基礎年金か障害基礎年金かいずれかを選択することになります。(選択替えはいつでも可能です。)

通常は障害基礎年金の方が有利です。障害基礎年金の2級の額と老齢基礎年金の満額とが同額ですし、障害基礎年金は非課税だからです。

しかし、このようにして老齢基礎年金を受給しないことになるのならば、老齢基礎年金が減らないようにと年金保険料を納め続けてきたことが無意味になってしまいます。わざわざ年金保険料を納付せず、法定免除のままにして納付をしなかった方が良かったはずです。

しかし、これは「老齢基礎年金を受給する年齢になったときに、障害基礎年金も受給できる」ことが前提条件です。 というのも、障害の状態が軽減すれば障害基礎年金の支給が停止してしまうこともあるからです。

もちろん、障害基礎年金が支給停止になったときは、老齢基礎年金を選択をすれば老齢基礎年金を受給することができます。このときに、過去の保険料納付が意味を持つことになります。 保険料を納付していたことによって、法定免除による老齢基礎年金の減額を避けることができるのです。

なお、老齢基礎年金を受給することになりそうなら必ず年金保険料は納付しておいた方がよいのかといえば、そうとも言えません。

「納付を選択したことによる年金保険料の納付額」に見合う分だけ「老齢基礎年金の減額を免れる」かどうは状況によって異なります。これは、障害基礎年金を受給する期間(すなわち法定免除期間)の長さや、老齢基礎年金を受給する期間(すなわち寿命)の長さなどによります。 障害状態の軽減や寿命は誰にもわからないことですから、ある程度の仮定の下に推測するしかありません。

以上のように、法定免除を受けるか納付を継続するかは、将来に関するある程度の推測を参考に、現在の保険料納付の負担感がどの程度あるかで決めることになります。

 

障害年金の受給権者はいずれかの手続きを

障害基礎年金1級・2級の受給権者などが原則どおりに法定免除を受ける場合は、「国民年金保険料免除理由該当届」を提出します。

法定免除ではなく国民年金保険料の納付を継続する場合は、「国民年金保険料免除期間納付申出書」を提出します。なお、納付の申出をする場合は、以下の点に注意が必要です。

  • 納付申出をした場合は、国民年金保険料の納付義務が生じるので、納付をしないと「未納期間」になります。「免除期間」にはなりません。
  • 納付申出をした期間について、過去にさかのぼって法定免除に戻すことは出来ません。(将来については、訂正の申出により法定免除に戻すことができます。)

 

 

まとめ
  • 障害年金を受給しても、受給したことだけを理由として将来の老齢年金が減額されることはない。
  • 国民年金保険料の法定免除を受けると、一定割合で老齢基礎年金が減額される。
  • 法定免除を受けずに国民年金保険料の納付を継続することも選択できる。
  • 法定免除と納付のどちらがよいかは状況により異なる。いずれの選択の場合も届出をしておく。