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障害年金とは

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障害年金は公的年金のひとつ

障害年金とは、一定の障害状態などの要件を満たす方が支給を受けることができる年金で、公的年金の中のひとつです。公的年金には、障害年金のほかに老齢年金遺族年金があります。

公的年金の種類
  1. 老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)
  2. 遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)
  3. 障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)

そもそも公的年金とは

それでは、そもそも公的年金とは、どういう年金のことを指すのでしょうか。

公的年金とは、「国が管理・運営している年金制度」から支給される年金のことです。

なぜ国は、年金制度を管理・運営しているのでしょうか。

それは、国には、日本国憲法第25条にのっとり、国民が健康で文化的な最低限度の生活を営めるように社会福祉などを推し進める責務があるからです。

国は、その責務を果たすため、国民が高齢病気ケガなどの理由で収入を得るのが困難になったり、一家の大黒柱が亡くなったりした際に、経済的な支援として年金を支給する仕組みを整えています。

これが公的年金です。

公的年金には2種類の制度がある

公的年金には、国民年金厚生年金保険の2種類の制度があります。

それぞれの制度には、それぞれの加入要件が定められています。そして、加入要件に該当する場合には、必ず加入することになっています。

各制度の概要は下表のとおりです。

2つの公的年金制度の概要

 国民年金厚生年金保険
加入者20歳~60歳未満の全国民企業等にお勤めの
加入要件を満たす人
保険料一定の額
(免除制度あり)
報酬に比例した額
(企業と折半して負担)
支給要件・高齢
・死亡
・一定の障害状態
・高齢
・死亡
・一定の障害状態
年金の種類・老齢基礎年金
・遺族基礎年金
・障害基礎年金
・老齢厚生年金
・遺族厚生年金
・障害厚生年金
支給額一定額報酬に比例した額

保険料の納付が必要

公的年金は、保険の一つです。

保険とは、「大勢の加入者があらかじめ公平に保険料を負担しあい、もしものことが現実に起きたときに給付を受ける仕組み」のことを言います。

したがって、年金制度の加入者は、保険料を納付することが必要です。

貯金箱

「将来ちゃんと年金がもらえるかどうか分からないのに、保険料を納付するのは嫌。だから加入したくない。」と考える人もいます。

しかし、日本では、加入要件に該当する場合には必ず年金制度に加入して、保険料を納付することが法律で定められています。

ただし、国民年金に関しては、保険料の納付が困難な場合には、届出をすることによって、納付そのものが免除されたり、状況が改善するまで納付が猶予されたりします。また、サラリーマンに扶養されている配偶者は、個別の保険料納付が不要とされています。

保険という考え方からすると、このようにして加入者が負担しあった保険料だけを原資として年金を支給するのが本来の姿です。しかし実際には、それだけでは十分な額を支給できないので、原資のおよそ半分は税金で賄われています。それが「公的」年金たるゆえんです。

要件に該当すると年金が支給される

上で述べたように、年金制度の目的は、高齢、病気、ケガ、一家の大黒柱の死亡などの際に、経済的な支援として年金を支給することです。

加入者が年金の支給要件に該当したときには、あらかじめ定められていた約束に則って年金が支給されます。

支給要件は、年金の種類ごとに細かく定められています。例えば、老齢基礎年金の支給要件の一つは「65歳に達したこと」です。

支給要件については後述します。

障害年金の受給には請求が必要

公的年金は、支給要件を満たしていれば当然に支給を受ける権利があります。これを受給権といいます。

しかし、実際に年金を受け取るには、受給する権利があることを自ら主張し、権利があることを実施機関(年金制度を取り扱っている機関)に確認してもらう必要があります。

この「権利があることの確認作業をしてください」と要求する行為のことを裁定請求(略して請求)といいます。

すなわち、たとえ支給要件を満たしていても、請求を行わないと支給が始まりません。受給するには請求が必要なのです。

しかも、早く請求しないと、5年以上過去の分は「受給する権利はあったが、時効によって消滅したため、その部分は支給できません。」ということが起こります。

さて、どのように請求するかというと、具体的には、年金制度を取り扱っている市町村役場や年金事務所の窓口をとおして「請求書」を提出することになります。また、請求書を提出する際には、受給要件を満たしていることを示す証拠(診断書などの添付書類)も一緒に提出します。

請求手続きの流れについては下記の記事で紹介しています。

書類のチェックをする男性2人 障害年金の請求手続きの流れを知っておこう
「請求」と「申請」

障害年金などの公的年金は、権利があれば当然に受給できるものです。当然に権利があることを主張する行為(公的年金を支給するよう求める行為)は、正しくは「請求」という用語を使います。

しかし、一般的に申請という用語を使うことも多いです。このサイトでも分かりやすいように、裁定請求を行うことを申請と表現することがあります

年金の受給には要件を満たすことが必要

公的年金は、それぞれに決められた支給要件があり、年金の支給を受けるには支給要件を満たしていることが必要です。

請求しても、確認の結果、要件を満たしていないことが分かれば(または要件を満たしているかどうかが確認できなければ)、その請求は棄却(または却下)され、年金は支給されません。

では、支給要件とはどのような内容なのでしょうか。

主な内容としては、老齢年金は「65歳などの一定の年齢に達したこと」、遺族年金は「親や配偶者などが死亡したこと」、そして障害年金は「一定の障害状態にあること」が要件となっています。(これら以外にも支給要件があります。)

「年齢に達したこと」や「死亡したこと」という要件は、非常に明確なので判断がしやすいといえます。これと比較して、障害年金の要件である「一定の障害状態にあること」とは、どのような状態なら要件に該当するのか、その判断は難しそうです。

そのほかにも、障害年金の支給を受けるためには、この「障害の程度(一定の障害状態)」に関する要件のほかに、「初診日」に関する要件と「保険料の納付」に関する要件があります。

障害年金の受給には、この「3つの支給要件」をすべて満たすことが必要です。支給要件については下記の記事で詳しく解説しています。

チェックリスト 障害年金で満たすべき3つの支給要件とは

障害年金の額

障害年金の請求をして支給されることになったら、果たしていくらもらえるでしょうか。

障害年金は、障害の程度(等級)によって額が異なり、これに加算がついたり、給与額に比例した額になったりなど、状況によって障害年金の額が異なります。

障害年金の構成

対象者が比較的多い障害基礎年金2級(加算なし)の例では、年額で約78万円(月額に換算すると約65,000円)です。

これを2か月に一度、2か月分ずつに分けて支給されます。例えば、4月分と5月分を合計した額が6月に支給されます。

過去にさかのぼって受給権が認められた場合は、一番最初の支給時に、5年分を限度に未支給となっていた分が一括して支給されます。

具体的な額については、下の記事で計算方法を紹介しています。

計算する女性 障害年金はいくらもらえる?障害年金の額の計算方法と受給額の例

障害年金に関する情報まとめ

公的機関へのリンク

日本年金機構(トップページ)(外部リンク)

病気やけがで障害が残ったとき|日本年金機構(外部リンク)

全国の相談・手続き窓口|日本年金機構(外部リンク)

障害年金の基礎知識

障害年金の請求手続き

障害年金の初診日について

障害年金に関連する公的サービス

精神障害・発達障害・知的障害と障害年金

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